自分がフォローする側に
鐵人ブログ、3466日目です。(残り187日)
「自分が元気なうちにバトンを渡したかったから」。これは丸吉の創業者(現相談役)である吉谷隆が、事業承継の際に周囲へ語っていた言葉です。「自分が元気なうちにバトンを渡しておけば、次の人が失敗しても自分がフォローすることは出来る。しかし自分の限界が来てからバトンを渡したら、次の人が失敗しても自分でフォローすることは出来ない」。シンプルにそう考えた上での決断だったのですね。一般的に大変難しいと言われている「事業承継」ですが、私はこの考え方に大きなヒントが隠されていると信じています。
承継者である私だから言えることだと思いますが、創業者から承継者を見たときに、経験不足や能力不足で心配するのは当然のことだと思います。今も未熟者である現在46歳の私が、事業承継をした34歳の時にどのような状態で社長就任させていただいたのかは明らかでしょう。そのような私にバトンを渡す決断をし、若いうちから経営者としての経験を積む機会を与えていただき、適度な距離をとり離れたところで創業者がフォローし続けてくれたからこそ、現在の丸吉ロジの姿があるのだと思っています。
自分が元気なうちに次の人へ早めにバトンを渡し、許される範囲の失敗も承知のうえで経験を積ませ、何かあれば自分が最後までフォローするという覚悟をもつこと。これが事業承継を円滑に進めていく上での最大のポイントなのではないでしょうか。